スーパーマーケットではかつ丼がいちばんうれています

えっちなおねえさんよっといで~~~~~~!!!!


けんけnyです。


かつ丼とカレンダーです。
https://adventar.org/calendars/4756



かつ丼はスーパーマーケットの総菜部門でめちゃくちゃ売れてるよ、という話です。


おわり。


次はドライソくんです。



ここから先はめちゃくちゃ長いよ。

スーパーマーケットではかつ丼を食え

ぼくがスーパーマーケット視察で食べる品目は、かつ丼と唐揚げときんぴらごぼうとにぎり寿司です。


なんかよくわからない一押しの惣菜とか、めちゃくちゃ豪勢な幕の内弁当とかよりも他社との違いがはっきり別れてるからです。


本当はあと天ぷらも行っときたいけど、天ぷらの状態で冷凍してる場合もあるので参考にならないから別にいいです。


惣菜の部門は米飯、温惣菜、冷惣菜、加工寿司みたいに分けることができます。


温惣菜には中華とか焼きそば等の鉄板メニューとかもありますが、多いのはパックの唐揚げとかフライとかです。


その中でも特に多いのは唐揚げです。


冷惣菜はほとんどが工場生産なので、味が統一されています。


出汁にこだわっている商品が最近多いですが、きんぴらを選んだ理由はどこにでもあるからです。


視察して食べるときは「このカテゴリで種類は負けてるけど味は勝ってる」とかやってます。

2・君がかつ丼を選ぶ理由


スーパーマーケットで飯くいたいときって何か考えてますか?


あんまり考えていないでしょ?


考えるとしたら「こないだこれ系食ったから次これかな~」
とかでしょ?


みなさんがかつ丼を選ぶ理由はそこなんです。


定番。無難。当たり前。


だからスーパーマーケット店員も作る計画に迷ったらかつ丼を選びます。


だって無難に売れるんだもん。

3・かつ丼はそこまで売れてない


スーパーマーケットで一番売れてるのは、店によって違います。


単品でいうと米とか油とかじゃないですかね。


はい嘘つきました。ごめんなさい。


かつ丼はスーパーマーケットで一番売れてる商品ではないです。


ついでにいえばその日に米飯で一番売れてる商品ではないです。


たとえば


398円のかつ丼を10パック
→3980円


498円のなんか豪勢な弁当10パック
→4980円


の売上があがるとすれば、その日一番売れたのは豪勢な弁当です。


会社によって仕入れ方法は違いますが、たとえば5kgの白米を仕入れたとして、その中で何をつくろうって考えます。


米飯1パック150gで考えると33.3333....なので5kgでだいたい30パックくらいかなーって感じ。白米単品も出すからね。


その中でも具材のロット数で割り振りを考えます。


米飯の品揃え基準はべらぼうにあるし、広告で品切れ防止くらいに製造数を増やす商品もあります。


なので日々変動し、そのように計画をするのですが、迷ったときにはかつ丼を増やす、というような感覚でやりくりしてます。


広告とか日替わりとかありますが、月間でみたらどこの店も無難かつ丼をつくるので売上がすごいことになります。


曜日も広告も関係なく安定してかつ丼をつくれば、月間でみたら米飯の中で一番かつ丼の売上金額が高い、ということになります。


スーパーマーケットの惣菜部門の米飯カテゴリでは、かつ丼が累計して一番売れてる


ということですね。


まあ、売れるからといってかつ丼ばっかりつくっても逆効果ですが。


4・かつ丼、売れてもらっちゃ困る




かつ丼ばっかり売ってたら利益があがりません。


なのでかつ丼ばっかり売れてもらっても困るのです。


それよりも唐揚げとか餃子の方がいいです。




スーパーマーケットでは「構成比」と「相乗値入」というワードが飛び交います。


構成比は売上の中の割合のこと。


相乗値入は部門売上全体の利益率のことです。


かつ丼は米飯にカテゴライズされます。


米飯はだいたい原価が高いです。


つまり値入れが低い。ということ。


各商品の値入はパーセンテージで記されています。




例として、かつ丼値入れ50%、唐揚げ60%とします。


たとえば1万円売れたうちの5000円がかつ丼だったら、利益は2500円です。


しかし1万円売れたうちの5000円が唐揚げだったら、利益は3000円になります。


同じ5000円でも、500円の利益が違ってくるのです。


たった500円の違いですが、全部門で週間、月間となれば話は変わってきます。


スーパーマーケット店員は月の中頃になる前くらいに次の月の計画を出すのですが、相乗値入を求められます。

その時に計画段階で米飯の構成比が多くなってしまうと相乗値入が下がります。

商売は売上と利益率、利益額でモノをみるのですが、利益率をあげるために値入率を上げる事がはじめにでてきます。


惣菜全体の売上の中で、米飯を減らして温惣菜を増やせば相乗値入があがります。

米飯よりも温惣菜のほうが値入が高く売上構成比も高いので、温惣菜で何をどれだけ売ってプラスさせるか、が重要です。



また、米飯は総じてオペレーションが面倒くさいです。


唐揚げなら肉を揚げてバットからパックに移すだけでいいのですが、かつ丼はカツを揚げて卵をあっためて白米を計量してカツを乗せるまで行います。


1人の動作でも、揚げてる時間は手が空くのでパックの作業ができますが、米飯だと米飯にかかりきってしまい1人ひとりの生産量が制限されてしまいます。


需要面でも、夕方から夜にかけて米飯より唐揚げなど温惣菜の方が重要です。


かつ丼よりも唐揚げが売れた方が色々と都合がいいのです。


もちろん、需要があれば増やします。


ですが、動作が制限される分限界もあります。



余談ですが、人手不足の店がよくやる手法は、米飯を作らないです。

工場生産の弁当も種類が結構あるのでそれに頼り、温惣菜しか作らない店もよくありますね。

その店舗が米飯の需要高くないなら、相乗値入は高くなるでしょう。



5・かつ丼の適性価格


最後に、かつ丼の適性価格について。


限界があるのならかつ丼を値上げしたらいいやん!


と思ってるバイヤーの人たち。














バーーーーーカ!!!!












ちんちん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!




失礼しました。




スーパーマーケットには500円の壁があります。


税込み500円をこえると売れる数が極端に減ってしまいます。


売る側としてはそりゃ高いほうがいいのですが、こればっかりはお客様をみないといけません。


じゃあ500円超えると全くダメなのか、といわれたらそれも違うと言います。


一つに、高級感。


他の米飯を400円でまとめたら、かつ丼の高級感が増します。


売上のベースは400円米飯で固めて、500円かつ丼で売上を嵩ましするイメージ。


この時はこだわりの出汁とか、精肉店の豚カツ使用とかアピールするでしょう。


 (まあ、精肉店以外からどうやって豚カツを仕入れるかは知りませんが。)


もう一つに、価格レンジです。


他の米飯が500円ベース、高級感を出す米飯で600円だと、かつ丼だけ400円なら貧相な感じがします。


元々ここのスーパーは高いんだ、というイメージだと500円超えても問題なさそうですね。


けど販売数は下がるだろうから、対策を何か考える必要がでてきそうです。


ちなみに、税込み410円で押さえると、最大税込み90円以内でもう一品買えますね。


お茶とかバイキングのコロッケとか。


できればコロッケの方がいいですが、この際お茶でも店舗の売上になるのであればそれはそれでありがたいです。


どちらをとるかはバイヤー次第、ということで、その価格の意味合いを我々スーパーマーケット店員はわかっておかなきゃいけないです。




5・おわりに


以上、スーパーマーケットではいちばん売れてる(訳ではないし一番になってはいけないけどめちゃくちゃ重要な立ち位置な)かつ丼の話でした。


次はドライソくんです。

https://adventar.org/calendars/4756




6・本当の終わり


これ全部読んだ君!
スーパーマーケットで待ってるぞ!